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「IT業界を選んだ理由。"技術"と"ビジネス"が融合する領域だから。 」
機械系のエンジニアを目指して機械工学科に入学したのですが、新聞などで経済や企業経営の情報に触れるにつれ、「勝つ組織って何だろう?」と疑問を感じるようになりました。一見そっくりに見える企業でも強い組織と弱い組織がある。何が違うのだろうとビジネス雑誌を読みあさり、自分なりに見えてきたキーワードは「IT」。ITなら技術者として「強い組織」作りのお手伝いができるのではないか。これが就職先としてIT業界を志望したきっかけでした。
最初は、関西のSI企業に就職しました。約7年在籍して、流通系・製造系の企業をお客様に、Visual Basicなどを使ったクライアントサーバー システムのプロジェクトでリーダーなども経験しました。
しかし、開発規模が比較的小規模だったことが、どこかで不満につながっていたんでしょうね。開発の実務は規模が変わっても本質は変わりませんが、マネジメントは別。例えば、スケジュール管理も10人くらいならエクセルシート1枚で事足りますが、200名となると求められる精度・レベルはまったく違います。自分の市場価値を高めるためには、そろそろ環境を変える必要があると考えました。自分の成長が止まるのが怖い、そんな気持ちもありましたね。
仕事の規模が大きい首都圏の仕事、提案の幅が広いコンサルティング機能のある会社、さらには尊敬できる経営者のいる会社。この3つの条件にかなう場所として紹介されたのがアクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズだったんです。
「プロジェクトの規模も内容も期待通り。ひとつひとつを乗り越えて着実に成長する。」
現在担当している仕事は、国内ハイテクメーカーとその関連会社向けのSCM構築。SAPのR/3をベースにした3000クライアント規模のプロジェクトです。商品寿命が短くまたコスト競争も激しいこの業界では、需給予測の精度を上げ、効率的なサプライチェーンを作り上げる必要があります。加えてそのメーカーでは海外展開も強化したいという要望もあり、その目的も達成できるシステム構築を目指しています。
入社前の期待通り、この会社のプロジェクトは、規模が大きいだけでなく、企業変革やビジネスモデル創造というコンサルティングをベースにしたものが多く常に挑戦的。確かに負荷はかかりますが、なし終えた後の達成感も、「成長している」という実感も、やはり格別のものがありますね。
「プロジェクト管理で重視しているのは、メンバーのコミットメントを引き出すこと。 」
プロジェクトを進めるにあたって、私がマネジャーとして特に意識しているのは、開発方針や手法を浸透させ、メンバーのコミットメントを引き出すこと。
当社ではプロジェクトメンバーとしてアサイン(配属)する前に、マネジャーがメンバーと事前面談を行ないます。本人の志向、目指すキャリアパス、取り組みたい技術。タイミングもあるので100%希望通りとはいきませんが、私はその面談の中でできるだけ、「だったらこのプロジェクトでは、こういうスキルが伸ばせるよ」など、具体的にチームに配属してからの役割や業務内容についての話をしてメンバーと意識を合わせるように心がけています。
個別に見れば、マネジメント志向からテクニカル志向まで、いろんな個性・方向性を持ったメンバーたちですが、ベースはひとつ。全員が「クライアントの課題解決」と「自己成長」を大切にしています。そんな彼らから出るアイデアを有効に活かすように、私は方向付けをしています。
今でこそそんなマネジメントを実践している私ですが、実は前の会社では全く逆のやり方、チームの一人ひとりがどんな作業をすればよいか、作業の各論まで事細かに決めるマネジメントをしていたことがありました。その時あるメンバーに言われた言葉――「稲井さんのやり方は確かにやりやすいけど、成長している気がしません。」これは正直、かなりグサッときました。後輩たちにチャンスを与え、自分で考えさせ、エンジニアとして成長できる「場」を提供することもマネジャーの仕事なんですよね。私の意識が変わりました。
今後は過去からのマネジメントノウハウの積み重ねだけに頼らず、マネジメントのセオリーを体系的に学ぶことの必要性を感じています。PMBOK*の習得に取り組み、自分の知識とセオリーを融合していくことが、今の私の目標です。
* Project Management Body of Knowledge。アメリカの非営利団体PMIが策定したプロジェクトマネジメントの遂行に必要な標準知識体系。
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