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社長の素顔Vol.3タイトル
社長の素顔Vol.3イメージ
安間裕
代表取締役社長
アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズ株式会社
趣味は読書とジャズ。ジャズは大学のクラブ時代からサックスを吹いている。今も友人と組んでいるバンドで演奏するのが楽しみ。交友関係には、その後プロの演奏家になった人も多い。読書もそうだが、何事も始めると深耕するタイプで、そこから興味の幅を広げていく。


最初に就職した団体系保険会社から大手外資系商社へ。 そして、アクセンチュアへと転職していき、その先々で新しいことを身に付けていった。

「コンピュータと英語ができれば、喰いっぱぐれがないね」

団体系保険会社から大手外資系商社の情報システム部門へ転職して数年が経ったとき、偶然乗ったタクシーの運転手の方からこう言われました。SEとして10数年のキャリアを積み、外資系企業で働くうちに英語も話せるようになり、タクシーの中で、外国のお客様と当たり前のように英語でやりとりしていた後のことでした。しかし、実は外資系商社に転職するときは、英語が必要になるとは聞いていなかったのです。

転職したとき、私は33歳でした。それまでの人生で英語といえば学校で習った程度で、会話などほとんどできない状態です。面接のときも、一緒に働くメンバーは皆日本語ができるので、英語が苦手でも問題ないと聞いていました。ところが蓋を開けてみれば、プロジェクトの中心人物として一緒に働く人は外国人で、日本語をほとんど理解できなかったのです。それでも、仕事は進めなければならない。筆談やボディランゲージを交えて何とか意思疎通をはかりつつ、仕事以外の時間を使い、イングリッシュアドベンチャーを聞いて英語を勉強する毎日でした(笑)。仕事に支障をきたさない程度に英語を話せるようになるまでには、2年くらいかかったでしょうか。

一方、仕事も初めて経験する内容が多々ありました。入社後何年かして配属された部門は、マーケティングの観点から、データ分析を戦略的に経営に生かしていくために必要なシステムを立ち上げるというもの。前職では、お客様の依頼に応じてシステムを作る側で働いていましたが、今度は、使う側=お客側からシステム・ベンダーに要望を伝える立場になりました。当時は、英語とコンピュータ漬けの毎日でしたが、それまで自分にはなかった力が確実に養われた6年間だったと思います。


「本当に、ここでやっていけるのだろうか?」

外資系商社からアクセンチュアへ転職したとき、私は39歳で技術的な知識も実績も自信もあったと思っていましたが、当初、不安が頭をよぎりました。下世話な表現になりますが、そう感じてしまうほど「デキる」社員が多かったのです。まず、意識が高い。人は失敗したときにその要因を外的なことに求める人と、内的なところに求める人の2種類のタイプがいます。外的なこととは要するに自分以外のもの。それは他人であったり、自分ではどうしようもない環境であったりします。しかし、外的なことに要因を求めてしまっては、自らの進化にはつながりにくい。アクセンチュアの社員は、誰もがミスの原因を自分の中に求めて、それを改善していこうという強い意志と向上心を持った人材ばかりだったのです。正直、あせりました。

また、互いを高めあうためにいたらないところを指摘する風土もありました。それまでの私には、生意気なところがあったのですが、そのことを指摘されたのもアクセンチュアが初めてでした。以前から、お客様とも社員とも「一緒に仕事をしていきましょう」という気持ちはあったのですが、それを態度として明確に示すようになったのは、これがきっかけだったと思います。極端な例ですが、お客様と話すときに机の横に置いてあるゴミ箱に座るようにしました。こうすることで、失礼のないようにお客様を下から見上げる形になるからです。最初にアクセンチュアで働いた2年は、期間としては短いものでしたが、とても濃密でさまざまなことを教えられたように思います。

タクシーの運転手の方が言ったように、世間的には、コンピュータと英語ができれば、喰いっぱぐれはないのかもしれません。しかし、たとえそれが事実だとしても、それでいいとは考えてはいない。「現在の自分」に満足するということは、自らの可能性に蓋をすることだからです。転職する前の自分に対して、仮に、そう感じてしまっていたら、アクセンチュアの刺激的な2年間は、ただ忙しい日々としか思えなかったかもしれません。

だから、私は「まだまだ半人前」の気持ちでいつもいるようにしているのです。


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