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社長の素顔Vol.5タイトル
社長の素顔Vol.5イメージ
安間裕
代表取締役社長
アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズ株式会社
面接で「英語は必要ない」と聞き、英語が話せない状況で外資系商社へ転職。しかし、実際は同僚が英語しか話せなかったため、独学で英語を身に付けた。本人は「偶然の結果」だと振り返るが、英語力は現在のポジションを築く大きなファクターの一つになっている。


日本のSI業界は、深刻な状況に置かれています。 オフショア化による技術習得機会の減少、 「ゼネコン化」による技術の空洞化、3Kと言われる労働環境・・・。 「この状況を打開したい」。 この思いを胸に 、まずアクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズの構造改革に 着手しています。

「働く環境を改善したい」

エバーグレイス国立公園を知っていますか? 私が大好きな場所の一つです。フロリダ半島の南に位置している広大な公園で、世界遺産にも登録されています。湿原と珊瑚礁で構成され、鰐や野鳥など、野生動物の生態系が、ほとんど昔のまま残されている貴重な空間です。その景色は美しく雄大で、眺めていると、ありのままの自然に圧倒されるような気がしてくるのです。そして、このままの姿を子孫に残していかなければならないという思いがわいてきます。

アメリカの先住民族俗の方々の言い伝えに、「地球は祖先から引き継いだものではなく、子孫から借り受けたもの」という言葉があります。ATSの社長という立場になってから、この教えは会社にも言えるのではないかと思うようになりました。会社は、いま働いている我々のものではなく、これから入ってくる人たちから借り受けているものです。だから、将来入社してくる人たちが今よりもっと働きやすく、高いモチベーションを持って仕事に当たれる環境を整えるのが、私の使命だと思うのです。

SEは、「きつい」「帰れない」「給料が安い」の3K職といわれています。その原因は、構造的要因にあると思われます。1次請け、2次請け、3次請けというように棲み分けが進み、下請け的な構造が顕著になってきています。そのひずみがさまざまなところにでているのです。また、分業化が進んでしまい、ごく限られた技術しか知らないエンジニアが増えています。「ういろう」によくたとえるのですが、1次請けのエンジニアは、表面の薄い部分しか経験できず、下請けで働くエンジニアは輪切りにした一部分しか経験できない。SIの全体像を知ることの出来る機会が、どんどん減ってきている。技術の空洞化がますます広がっていく。この状況を打開するために、今、さまざまなことに挑戦しているところです。


「方法論の浸透で、残業が激減」

以前、他社のSEからこう言われたことがあります。「アクセンチュアってタフだよね」。
確かに、以前は深夜に作業を終え、翌早朝から再開するなどということも珍しくありませんでした。しかし、現在は変わってきています。実は、毎月、各プロジェクトの平均残業時間を調べ、過多になっているところへは自らメールを出しているのですが、そのメール数が激減しました。理由は、システム構築の方法論、ツールセット、システム・アーキテクチャ、指標体系を標準化したツールをつくり、それを定着させるための組織「Strategic Delivery Office(SDO)」を立ち上げたことにあります。つまり、作業の無駄を徹底的に省き効率を上げることで、無駄な残業を減らしていったわけです。

また、「自前主義」を徹底することで、要件定義から基本設計、詳細設計、開発、テスト、移行、導入というシステム構築のあらゆるフェーズを経験できる環境の整備にも力を入れています。技術を追求したいエンジニアに応えられるキャリア・ステップも整いつつあるところです。まだまだ発展途上の仕組みではありますが、この試みが成功し認められれば、SI業界のスタンダードとして広がっていくかもしれません。そして、いつかSI業界そのものが変われればいい。だいそれた夢かもしれませんが、将来へ受け継いでいくべき仕組みづくりに挑戦することは、会社を預かっている私の使命だと考えています。

今取り組んでいることをやり遂げ、仕事を引退した後は、子供と一緒に世界遺産巡りをしてみたい。それが、プライベートの夢です。


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